【東京】全国ハイヤー・タクシー連合会（富田昌孝会長）は12日、千代田区の自動車会館で正副会長会議を開き、今月28日開催の理事会、通常総会への上程議案などを原案通り承認した。大タ協の会長交代に伴い、近畿ブロック選出の副会長は坂本克己氏から関淳一氏に交代する。また『タク削減は10％主流』などとする業界紙報道を根拠に、事業再構築を10％の減・休車の範囲に止めようとする動きが拡大の兆候を示しており、富田会長が盛んに「地域協議会で示された適正車両数とかけ離れてよいというものではない」と呼びかける一幕もあったというS。
　28日の理事会、通常総会への上程議案では平成21年度事業報告、同決算報告、平成22年度事業計画案、同収支予算案などを了承。また、役員選出案に関しては大タ協前会長の坂本氏が副会長を辞任、後任には関・大タ協新会長が就任する。大タ協役員人事に連動して、全タク連・常任理事に藤原悟朗氏（大タ協副会長、駒姫タクシー社長）が、同・理事に迫田謙典氏（同、国際興業大阪社長）が就任することになる。坂本氏は大タ協会長辞任に伴い、全タク連顧問に推薦される運び。
　その他の議事では各地の地域協議会の進捗状況報告を行ったほか、先月の定例正副会長会議の後に開催された民主党ハイタク政策議員懇談会での「タクシー政策議員連盟」設立の経過、交通基本法関係では今月７日付で新たに、中間整理に対する意見を国土交通省に提出したことなども報告、了承された。
　全国各ブロックでの地域計画の目的達成のための事業再構築（減・休車）では、出席した複数の副会長らから、『10％主流』との報道を根拠に「10％削減すれば良いということなのか？」「われわれもとりあえずは10％削減ということにしたい」などの声が相次いだようだ。富田会長は、「地方運輸局が提示した適正車両数を参考にしながら取り組むのが本来の姿だ」と強調したものの、「まずは10％で、あとは段階的に」との声はやまなかったようだ。
　このほか、意見交換の中で交通基本法に関連し「運転代行対策について、民主党議連を通じて強力に要請してほしい」などの声があがった。

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【 東京 】全国ハイヤー・タクシー連合会（富田昌孝会長）は７日付で、国土交通省が意見募集を経て取りまとめた「交通基本法制定と関連施策充実に向けて〜中間整理」に対する意見を策定、同省に提出した。当初のパブリックコメントへは意見を提出済みだが、中間整理に合わせて改めて追加的意見を提出したもの。
　『交通の格差社会解消、環境に優しい公共交通機関への転換』については、「ドア・ツー・ドアの面的サービスに唯一対応可能であるタクシーの存在が不可欠である」などとし「路線バス撤退後の地域における最後の公共交通機関としての極めて重要な役割も担っている点からもタクシーの意義、位置付けを明確にすることが必要だ」としている。
　『移動権の保障と支援措置の充実』については、公的助成の大幅な拡大や、輸送サービスの業態間での安全性に関する不均衡が生じないよう求めた。また、「共助の精神は大切だ」とした上で、「あくまで公共交通機関の維持・充実を公助により図ること」と強調している。
　『環境に優しい交通体系の実現』については、「経済的誘因や交通規制の活用に当たっては、公共交通機関たるタクシーについても鉄道、バスなど他の交通モードと同様のインセンティブ付与を明確にされたい」「エコカー導入促進は、タクシーなど公共交通機関を優先する仕組みを検討して欲しい」と求めた。
　『地域の活力を引き出す交通網の充実』では、「大量輸送機関だけでなく、個別的輸送機関の重要性も認識の上、バリアフリー化等の移動のしやすさの改善が行われるべきだ」と主張している。
〔５月15日関東版掲載〕　 <バックナンバー一覧へもどる>

【 大阪 】大阪地区の全車禁煙を巡って、府下の事業者団体を網羅する輸送秩序確立協議会（一水会、議長＝古角利裕・大阪運輸支局長）が７月１日実施を決定（前号既報）したことで、前提条件となる大阪タクシー協会（関淳一会長）の対応が注目されている。
　「５月31日の世界禁煙デーを目標に全車禁煙」というのが大タ協の基本線だが、４月理事会では賛否が対立、機関決定に至らなかった。週明け18日の理事会では、当然ながら一水会の参加報告も行われるため、協会として判断を示す必要に迫られることになる。反対理由の中には、合意形成に時間を要するというものもあるだけに、７月に向けて時間的な余裕が生じることで機関決定のハードルが低くなったといえよう。
　当初の５月31日という設定について大タ協関係者は14日、本紙の取材に「ダラダラと話を進めても合理的ではないという思惑もあってのこと。大阪業界挙げての取り組みということになれば、一協会でやるよりも当然インパクトもある」と、基本的に歓迎の意を示した。一水会の議論でも「一斉実施」が望ましいとの見解で一致。ただ、大阪ハイヤータクシー協会（三菱タクシー）、全大阪個人タクシー協会（山本茂会長）から、５月末では準備が間に合わないとの指摘があり、７月１日に落ち着いた。
　一方で、大タ協内には、いったん５月31実施を公表し、マスコミにも大々的に取り上げられた経緯から、「予定変更はタクシー業界のマイナスイメージにつながる」との声もある。
〔５月15日関西版掲載〕<バックナンバー一覧へもどる>