【 大阪 】大阪タクシー協会（藤原悟朗会長）は16日、第15回理事会を開き、全タク連正副会長会議、大タ協各専門委員会報告を行ったほか、26日開催の一般社団法人移行後初の第33回定時総会の運営と同総会に上程する平成24年度事業報告などを審議し、原案通り承認した。また、欠員理事の補充選任では10日に辞任届が出ていた近鉄タクシーの中島信雄氏の後任推薦として同社新社長の平山晃氏を承認した。冒頭、７日に陸運及び観光関係功労者近運局長表彰を受けた山田健（太平タクシー社長）、井上道人（堺第一交通社長）の両副会長に祝意が示された。
　藤原会長は、ＪＲ大阪駅のタクシー乗り場移設について、「鶴保庸介・副国交相を表敬訪問（４月11日）した際、これまでの経過報告をしたところ、『タクシー乗り場は駅の乗降口の前が望ましい』と理解をいただき、その後ＪＲ西日本の統括部長と懇談することもできた。西側の（新しいタクシー）乗り場は８月オープンだが、（従来の御堂筋口周辺の）降り場設置についてもまだ計画が進んでいないとのことだった。乗り場設置の所管は大阪タクシーセンターであって、大タ協は場違いではあったがお願いをしてきた。今後、タクセンを通じて要望していく」と報告。また、タクセンの新会長となった加藤誠氏（伊藤忠商事元副社長）とも会う機会があり、状況を説明したところ、「タクシー乗り場移設はけしからんこと。またグランフロント周辺にタクシー乗り場がないことにも『どういうことだ。私は命がけでタクシー乗り場を作る』と力強いお声をいただいた」と紹介し、今後のタクシー乗り場設置・拡充への依頼をしたと述べた。
　足立堅治・専務理事は、「３党合意のタクシー新法については富田正孝・全タク連会長から時間は刻々と過ぎているが『最後まで諦めない』と、自公民それぞれの議連にお願いしていると報告があった。仮に今国会での（成立が）ダメな場合も、７月の参院選挙では各議連の先生には通ってもらいたい、全国的に推していくとの話があった」とし、改めて３党の合意事項を説明した。その中で、独禁法の適用除外で「『特定地域・準特定地域では、協議会での減車等に関する協議について、独禁法の適用除外とする』とあり、残念ながら運賃規制は（独禁法の適用除外から）外れた」と報告した。
　要綱案の説明の後、議論があり、都市部は特定地域に指定されているが、指定地域になっていない（郡部等の）地域でも供給量が増えたわけではないが、利用者減から非常に経営が苦しい状況にあり、準特定地域にしろ指定してもらいたいという声が全国的にあがったと紹介した。さらに「個人タクシーも公定幅運賃に入るのか」との質問があり、各務（正人）理事長は「当然、入ってもらう」と説明したと報告した。　
　一水会や広報・サービス委員会報告に関して、乗務員のトイレとマナー、身障者も乗禁時間帯では目的地の手前で降車させる問題などで活発な議論が行われた。また、終了間際に、時間不足から質問は控えつつ、岩城秀行理事（北港タクシー）が「運輸規則第22条最高乗務距離の問題について後日文書を出す」として、次回理事会での回答を求め、藤原会長が了承した。
〔６月15日関西版掲載〕<バックナンバー一覧へもどる>