ハイヤー・タクシー業界専門情報紙  株式会社 交通界
2017年3月6日

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「週刊交通界21」毎月4回情報発信

執行部のスピード感に…
「対ライドシェア」戦略と情報開示
         〜東タク協理事会質疑

 さる2月10日に開催された東タク協臨時理事会の主要議題は「事前確定運賃実証実験について」だった。具体的な内容については理事会終了後の佐藤雅一副会長(経営委担当)や西澤明洋・経営委員長による記者向ブリーフィングや本紙独自取材により詳細を2月20日号の本欄でお伝えした。事前確定運賃そのものへの誤解も、それによってある程度解かれたのではないかとも思う一方、非公開で行われた理事会の質疑応答で見えてきたものは、新たな活性化施策へのトライそのものへの反対というより、スピード感を重視するテーマについては実質的に事後報告も許されるのか―という協会運営そのものこそが課題になっているということのようだ。それぞれの立場で言いたいことを言い合った格好だが、互いにそれぞれの苦衷を察して歩み寄ることができれば良いのだが… 。
 公開された理事会冒頭の川鍋一朗会長によるあいさつの要旨は同じく本紙2月20日号巻頭言で紹介されているため、今回は重複を避ける。事前確定運賃そのものや実証実験の概要についても同様だ。それらを割愛して、理事会における事前確定運賃に関する質疑そのものを振り返りたい。ほぼ正確に再現されていると思う。
 佐藤副会長、西澤経営委員長(具体的な事項の大半は西澤氏による)の概要説明を終え、本件に関する質疑応答が開始される。
A理事 そもそも、事前確定運賃とは何のためにやるものか。強いて言えばタクシー事業の活性化、ウーバー対策とのことだった。外国人客などが安心して乗れる、安心料金という面はあるだろう。流し営業は東京業界の大事な要素であり、それが事前確定運賃に食われてしまってはいけない。経営委でもそういうことは言った。今日もひとつ言いたいことは、どうして事前確定運賃なのか?ということ。
西澤 それについては今のところ国交省と議論していない。
B理事 事前確定運賃は全タク連の活性化11項目にあり、いきなり国交省の予算付けが行われた。東タク協での議論はそれまでまったくなく、違和感を覚えている。予算が付いた経緯はどういうことなのか知りたい。
佐藤 なぜ予算が付いたのかという具体的な経緯は私もわからない。いま国交省がタクシー業界が自らいろいろなことをどんどんやって、ライドシェア対策に進むということに支援をしてくれている。それを東京でやるということは間違いのないこと。410円運賃をやるに当たっても国交省のご支援をいただいたという認識だ。
 今後、相乗りタクシーなど、業界としていろんなことをやっていくにあたっても、後方支援や前から引っ張っていくこともやってくれている。そうした流れの中で出てきた話。東タク協ではなく、全タク連ではかなり以前からこの話は出ていたことはご承知だと思う。全タク連での議論を経て東タク協にもご報告させていただき、初乗り距離短縮運賃は実現した。その後、事前確定運賃、相乗りタクシーに取り組みましょうということを理事会でもご報告しているはず。
 それ以前の話としてタクシー業界でこうした新しい取り組みを考えているということ、国交省でも支援をしていただけるということで実証実験も予算をいただけるというふうに私は感じている。運賃の話だから全国規模の話ではあるが、こういった取り組み、ライドシェアなどを全面的に阻止していくための活動はやはり東京ということになるし、一番取り組める状況にあるのも東京というふうに私も思っている。
C理事 最近気になるのは、「全タク連でやっていることで、東タク協ではないんだよ」という言い方を何度もこの場で聞かされたように思う。その割に、話が始まると、東タク協マターになっていて、独断的に決められていて、「これを東タク協で検討するんだよ」とされているような気がする。もしそういうことになるのだったら、全タク連で話し合っている段階ですべて東タク協に降ろしてくれればいい。「全タク連で揉んで、決まったから東タク協でやれ」ということでは、東タク協の会員は納得できない。今回は正にそういう典型ではないかという気がする。その辺りはもう少し改善していただけないかと思う。
 委員会にも出席したが、結論は出ていないという印象だ。「これでよろしいですか」と問うても、誰も「いいですよ」とは言わない。委員会の中でも皆さんあまり納得はしていないが、なんとなく流れていっている。アプリの開発にしてもどこがどのようにやるのかはわからない。国交省がアプリ開発等も含めて説明されるのだろうが、その辺りの資料だとか内容についてもぜひ、会員に公開していただけるようにしてほしい。どういう中身でアプリを作らせるのか、どういうスケジュール感で進められるのか。私たちの知らないところで進んでいくということのないようお願いする。
 ひとつお願いしたいこと。会長によるとウーバーなどは非常に宣伝が上手だということだが、東タク協としても何かしら手を打たなければならないという意見もあったと思う。広報のプロの手を借りるなどの方法は採っていないのか。そういうことも考えていただいて、対ライドシェアで、もっとうまくPRできないかと思う。
川鍋 特にプロの手は入っていない。残念ながらお金があまりありませんので。お金がない中でやることは、全員が身を削って自分の時間をご自身でも使っていただいて、政治家の先生方のところへ行き、国交省の担当部局へ行き、自分でやるしかない。そうやって全員が自分でやるしかない。「執行部やってくれ」と言いつつ、「俺たちはできない。やらない」というのではなくて。ですから全員で政治家の先生方のところへ行って働きかけられればと思います。
 トップダウンで何ごとも決まるというのは、確かにおっしゃる通りだろうと思う。いま、大変なスピード感で物ごとが進んでおり、最前線にいる私でさえも頭が混乱する状況にある。今回の事案はいままで業界が経験を積んできたパターンで運賃を変更する(運賃改定)とかとは全然違うものであり、これまでとは全然違う闘いだということだ。全タク連で一所懸命考えて、やれることはやるという形になっている。

東京業界に課された責任
 確かにこの形、内容で実施することが良いか否かという議論はあるものの、さまざまな方策を全タク連の富田(昌孝)会長の指示の下、知恵を出し合った結果、活性化11項目がまとまった。それをできる地域がやるということになっている。当然、国交省のお膝元である東京業界は期待もされているし、こういう状況の中でわれわれが率先してやるということにどうしてもならざるを得ない。東京という恵まれた市場を守るため、われわれに課された責任でもあると思う。
C理事 全タク連で議論がなされている段階で、必要な情報を出してほしい。全タク連内でこれはクローズすべきという情報まで含めてすべて出せとまでは言わないが、進捗状況がわれわれにもわかるものがあればぜひ、わたしたちにも教えていただきたい。
 最近は日経新聞を見て驚くことが多い。「えっ、こんなことやることになっているの」って。そういうことも、ちょっと加味していただければ。
川鍋 私も日経新聞を見て毎日、驚くことが続いている。おっしゃることはよくわかる。なかなか御多忙なようで来てはいただけていないが、一度ご招待しますから、タク議連の会合などにも出席していただき、最前線で思いをぶつけていただければと思います。意見のある人は、ここで私にぶつけていただくよりも、敵にぶつけてもらわないと困るんです。敵は竹中(平蔵)先生など… 、難しい面はあるんです。
 情報をこうした場でシェアするとどうなるかというと、検討、相談している相手側から「なぜ、この段階で流すんだ」という話になったり、逆に皆さんの方から「なぜ、こんな生煮えで出すんだ」ということがある。人間はおかしなもので、知らされないでいると怒り、「いかがですか」と聞くと意見が出なかったりする。

最後は執行部を信じていただくし
 われわれも必死に努力をしますが、最後は執行部を信じていただくしかないと思う。われわれ執行部も決して東京業界を悪くしようとしてやっているわけではない。良くするために皆さんに選んでいただいてやっている。全会員に同質の情報を同時に流してやっていければ良いのですが、敵にも筒抜けになったり、国交省や政界から止められたり、さまざまな理由があるわけです。情報はできるだけ開示できるタイミングで開示したいんですが、ある程度の限度があります。
 最後のところは執行部を信じていただいて。皆さんに選んでいただいた執行部なんですから。それで執行部がダメなら役員改選の時に皆さんでしっかりと意思表示していただければ良い。私たちは一所懸命闘っていますから、後ろから矢が飛んでくるようなことでは痛い。それは悲しいことです。
 また、わたしは全タク連の富田会長の大方針の下で動いていますから、私の首に鈴を付けたかったら、富田会長のところへ行って「何とかしてくれ」と言ってきてください。富田会長に言われて、「手持ちのタマを全弾撃ち尽くします」と言って闘っているわけです。それで敗れれば、皆でウーバードライバーにでもなりましょう。私はそうはならないと思っていますし、政官ともにいまのところ、われわれの主張に耳を傾けてくれている。政治・行政を裏切らないよう、必死になってバタバタともがき続けることが必要であり、大事なのではないかと思う。とにかく最善を尽くしたいと思っていますので、ご協力をお願いしたい。
藤原廣彦副会長(広報委担当) 全タク連のホームページでは各種会議等の議事概要が掲載されています。興味のある方は参考にしていただければ。事前のチェックに時間が掛かるため開催から1カ月後くらいになってしまい、少し遅いんですが。
B理事 2002年の規制緩和と同時に定額運賃制度がスタートしている。この時も「メーター運賃を崩すことになるのでは」との懸念があり、成田・羽田などの空港や特定の集客施設に限るとか、5000円以上の長距離に限るということで、メーター運賃制度の特例という位置づけで始まったと記憶する。
 今回の事前確定運賃が普及していくと、メーター運賃制度を崩壊させないかという点が大変心配だ。価格競争になったり、相対運賃という言葉もあったが、そういうものが横行するおそれが出てこないかという心配もしており、実証実験はやってもいろいろな面で不都合が出てくれば、その結果によっては柔軟に対応していただけるようにしてほしい。
川鍋 メーター運賃を崩しかねないというご懸念ですが、定額運賃議論の際にもよく覚えているんですが当時、三浦宏喜副会長(経営委担当)から「川鍋君、パンドラの箱を開けるのか」と言われたりもしたものです。「長年、業界は乗務員の不正と闘ってきて、メーターによってしっかりとしたモラルも確立できたとも言える。これは事業者の叡智を結集したものだ」とも言われました。
 業界の歴史を振り返れば、「なるほどな」と思う面もあります。行政とも事前確定運賃の話をするときは、こうした過去の会話も念頭に、不正防止の観点からもGPSや、さまざまなIT機器も駆使して取り組まなければならないと言っています。

パンドラの箱を開けざるを得ない
 一方でウーバーがスマホのGPS機能を使って非常にアバウトな運賃をとり、それでもお客様が「安ければデタラメでも良いや」と言えばそれで通ってしまう時代になりつつあります。そこが両睨みで考える必要があり、パンドラの箱を開けざるを得ない、そういう闘いが待っているのがいまです。この箱を開ける時は覚悟を持ってしっかりとしたフォローをしなければならない。
西澤 定額運賃との違いは、例えば成田や羽田空港定額には穴があってメーターとの乖離は非常に大きい。ルールとして深夜早朝割増運賃は適用時間帯に乗車時、降車時の両足が入っていなければならないとかいったものもある。そういった課題も踏まえて今回の事前確定運賃に取り組みたいと思っている。
D理事 実験は3カ月程度ということだが、何台規模で行うのか。適合するアプリを開発するということだが、「スマホdeタッくん」は使わないのか。
西澤 何台でという部分はまだ決まっていない。お客様に選ばれるためにはそれ相応の台数が必要だろうと思っている。100両単位ではご要望に応えられないのではないか。少なくとも1000両単位にはなるだろうと今のところは思っています。
スマホdeタッくんに関しては、その参加事業者が実験に参加しようと思うのであれば、そうなる可能性もあるだろう。
B理事 ライドシェアに関する情報は業界紙でも見ているが、ナマの情報が欲しいと思う。全タク連の神谷(俊広)理事長やこの分野に詳しい学識者もいるだろうし、そういう方の話を聞きたいとも思う。ぜひ、そういった企画を考えていただきたい。
川鍋 どこまで話せるかという問題はあるだろう。しかし、そういったことは検討してみたい。
 また、皆さんにお願いしたいこととして、まずは実際にスマホアプリで配車を実体験してほしい。少なくとも理事の皆さんはどのアプリでも構わないから、アプリでタクシーを呼んで、乗って、配車するという経験をしてからでなければこの議論をするのは拙いと思う。使ってみないと、これからどんな武器を揃えなければならないかはわからない。話を聞くのはそれからだと思う。

「流し」を大切にしなければ
A理事 これは私の意見だが、私は「流し」というのはすごく大事だと思っている。例えばニューヨークでもウーバーは事前確定運賃をやっているかもしれないが、イエローキャブは流し営業で、タクシー乗り場やホテルに付け待ちをする。ロンドンでもタクシーは流し営業が中心だ。われわれは流し営業を大切にしていかないと、大阪城のように外堀を埋められてしまう。
 事前確定運賃と流しとはかなり近いものになってきた。都心で3分に1両くらいの割合で流しタクシーが走っていれば、事前確定運賃のクルマを呼ぶために6分かけるより利便性は高い。ただし、流しのタクシーは排出ガスや無駄な燃料消費などもある。しかし考えていただきたいのはこれからのクルマは電気自動車になっていくし、ガソリン車の排出ガス規制も厳しくなり、もっともっとクリーンになる。環境負荷は軽減される方向にあり、流し営業のマイナスは減っていく。そういう視点も持つべきだと思う。
川鍋 流しが大事だという点は同意する。ウーバーは流し営業できない。その優位性を保つため、乗務員の接客向上などにも、それはそれとして努めていきたい。ただ、事前確定運賃を導入することで流し営業を弱体化させるものではないだろう。
 
――ここまでが、主要議題たる事前確定運賃と、その実証実験に関する質疑のほぼ全容を再現したものだ。この後、国交省による改正タクシー適正化新法のフォローアップ調査についての報告が事務局からあり、それに関する武居利春副会長(労務委担当)からの会員への協力要請などが行われた。次に東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会への職員出向について事務局から説明があった。
 これら報告事項をすべて終えた段階で川鍋会長が、報告事項でも議題でも構わないのでこの際意見、発言があれば―と呼びかけたことに対して、やや間があって1人の理事が発言を求めた。その内容は次のようなものである。
E理事 東京四社営業委員会の件についてあえてお尋ねしたい。ウーバーの問題などが発生している時に業界がどうなっているのか? 内部分裂をしているような事態であり、議論を深めることもなく脅しのような処分に出てしまうとは。
 故・新倉(尚文)会長は長く業界を指導してきたが、こういうことはしないだろう。大手のうち3社が大和自動車交通を除名するなんて普通じゃない。タクシー業界を分裂させるようなことは控えていただきたい。
川鍋 私も新倉会長には大変お世話になりましたし、亡くなられた前社長にもお世話になった。心情としては分かるが、ここ東タク協の理事会で議論する内容ではない。
E理事 除名はおかしい。大和の前島(忻治)社長は除名処分になった原因の提携について白紙撤回すると言っており、私はそのように聞いている。一昨日(*2月8日)そのように聞いたばかりなのに、その翌日(*2月9日。当日、東京四社営業委からの除名がプレス発表)に、なぜ除名処分になるのか。そんな馬鹿な話はない。もう少し考えていただきたい。
川鍋 個別事案なので答弁は控える。
E理事 とんでもない。個別のことではない。業界のことだ。答弁を求めたい。
川鍋 理事会が終わった後でよければお話したい。
専務理事 そろそろ時間となりましたので、閉会と致します。

議論の評価は読者各位に
――というようなやり取りが行われた。各人の発言内容に対して記者としても思うところはあるが、この際、一切の論評は控え、この議論への評価は東タク協会員一人ひとり、また読者の皆さんに委ねたい。(了)
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No.668  3月6日 主な内容
■巻頭人物:中島 通氏(日個連東京都営業協組理事長)
気になる数字:1765分の4 〜県・市議会の「ライドシェア反対」決議4件、全国の議会は1765
■トピックス
:執行部のスピード感に…  〜東タク協「対ライドシェア」戦略と情報開示
:公共交通、雇用を破壊するライドシェア 〜市民会議 第3回公開シンポから
:「深夜・早朝割増廃止」問題決着へ? 〜期間限定事業者の年度内「処分」はあるのか
:ようやく動き出す神戸市域の適正化 〜「減車+預かり10%以上」+「曜日制限5%以上」基本に
:<スポット> 優良な乗務員の存在が活性化の素地 〜東阪神タク協組
:会社敗訴部分を破棄、高裁差し戻し 〜国際自動車賃金訴訟、最高裁判決を読む
:大タ協弁済問題はどう決着? 〜2億円超える欠損でも「7年間黒字」の意味するもの
:<スポット> UD車両は「中型」区分で 〜京タ協「京都北部」について要請書
<スポット> 個タク事業者 慶びの春 〜功労者&優良表彰
■東西往来:理事らの強い危機感が浸透するか / 「FF専用アプリ」お披露目
■この人この言葉
:秋山 利裕氏 / 水野 潔氏 / 三野 文男氏 / 前田 善満氏
■シャッターチャンス
:空砲と分かっていても / 納得させる教育で
:無神経と無意識が / 施錠のままでは遠のく相互理解
■内外交差点:江戸っ子観光ドライバーの折々  三谷 幸人氏H
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Faxpress 関東版
「組替え」効果で2.3%増収
  2キロ以下は1.3回増、8.1%減収
   国交省 初乗り短縮運賃の導入効果検証

【 東京 】国土交通省は3日、東京都特別区・武三地区で1月30日から適用開始となった初乗り距離短縮運賃の導入効果をまとめ公表した。2月12日までの2週間で走行2キロ以下の近距離輸送は1日当たり1.3回増え、全体での輸送回数は1.7回増。日車営収は2キロ以下で8.1%の減収となったが、全体では2.3%の増収だった。狙いとした「ちょい乗り」の増加はあったが、それだけで減収を回避できるほどの増加ではなかったものの、組替えによる中長距離値上げ効果により、日車営収全体では一定の増収があったといえそうだ。
 今回の国交省による検証は特別区・武三地区の法人タクシー19社1193両を対象としたもので、台数ベースでは同地区全車両の約4%程度にあたる。調査期間は1月30日から2月12日までの2週間で、比較対象は昨年の1月25日から2月7日とし、両年ともに調査は月曜日から始まり翌々週の日曜日に終わるよう時期を調整している。
 結果は別表(略)の通りで、運送回数で見ると2キロ以下の近距離は1.3回、17.3%増加している。2キロから6.5キロの値上げ、値下げが交錯する距離帯では0.4回、2.8%増。6.5キロ以上の常に値上げになる距離帯では増減がなかった。全体では1.7回、6.3%の増加。日車営収で見た場合には、2キロ以下では450円、8.1%の減収となっており、2キロから6.5キロでは718円、3.8%の増収。6.5キロ以上では817円、3.7%の増収だった。
 全体の日車営収は昨年が4万6858円、今年が4万7943円で、1085円、2.3%の増収になっている。初乗り距離短縮だけで増収を得られるほどの利用回数増加はなかったが、組替えによる値上げ効果で全体としては増収を確保した格好。調査サンプル数が十分に多いとは言えないこと、調査期間が短いことから初乗り距離短縮運賃そのものを断定的に評価することはできないが、初乗り距離短縮というよりも、「組替え」はひとまず業界にとって成功したのではないかと言えそうだ。
〔3月4日号関東版掲載〕  <Topへもどる>

2017年3月4日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】「組替え」効果で2.3%増収/2キロ以下は1.3回増、8.1%減収/国交省 初乗り短縮運賃の導入効果検証
【 東京 】銀座乗禁地区の転回行為/グループ特定して是正要求
【 東京 】大和・前島社長「提携推進」/東京無線理事会で意向表明
【 横浜 】横浜の関連会社でもウーバー契約/チェッカーGの平和自交、ハイヤーで
【 東京 】問題箇所に「外堀通り」など追加/乗務員指導委の17年度事業計画
【 仙台 】東北局、仙台の特定地域計画認可
【 東京 】「全国タク」に降車前支払い機能/特区・武三の日交Gで先行提供
【 東京 】最高裁が賃金規則の有効性認定/国際労組が判決評価の声明
【 東京 】都個協、接客コンテスト本選へ7人
【 東京 】全自交が会場で白タク反対署名活動/交運労協・春闘決起集会
【 横浜 】都市型ハイヤー2社を新規許可
【 福岡 】第一交通産業・役員人事
 
2017年3月4日号−2 関東・関西版 ニュースヘッドライン
【 東京 】完全自動運転で「装置産業化」/「労働力不足解消」の楽観戒め/全タク連総務委、伊藤委員長が強い危機感表明
【 横浜 】京浜地区、70歳超の2桁増続く
 
2017年3月3日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】ライドシェア解禁へ法的環境整備を/新経連、東京五輪までに全国導入必要/観光立国基本計画改定で意見提出
【 東京 】違法物件3割、過半数が特定不可/厚労省、全国民泊実態調査
【 東京 】ジャスタビ問題も取り上げ/民進党タク議連が総会
【 東京 】横ばいか、1〜2%増収/東京の新運賃、1カ月経過
【 東京 】LPG、大幅値上がりは終息気配
【 東京 】石井国交相「物流生産性革命」を/ヤマト運輸の「総量規制」報道受け
【 東京 】ライドシェア対応、連合のテーマに/18〜19年「要求と提言」に盛る
【 東京 】ウーバー大々的進出の豪州/交運共闘が11月に調査団派遣へ
【 東京 】江東南砂町エコステーション開業/山三と伊藤忠の合弁スタンド
 
2017年3月1日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】会社側敗訴部分を破棄、差し戻し/一、二審の法令解釈に誤り、審理尽くさず/国際自動車賃金訴訟で最高裁判決
【 東京 】既存事業者の初回更新日決定/事業許可更新制導入の貸切バス
【 東京 】高齢化のネガ情報に対応策を/東タク協・太田広報委員長
【 東京 】白タク阻止の大集会と国会請願/ハイタクフォーラムが3月7日
【 パリ・東京 】無人運転車による公共交通サービス/ルノー・日産が仏社と共同開発へ
【 東京 】IP無線、まず1200両で/都営協、導入計画見直しにめど
【 東京 】再発事故防止講演会、欠席許さず/日個連交通共済が内規改定
【 ローマ 】タク乗務員が反ウーバーデモ/伊政府が規制強化を約束
 
2017年2月25日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】「客貨混載」「二種免要件」検討へ/ライドシェア推進の法整備は先送り/11項目から選定、規制改革推進会議
【 東京 】PF事業者の登録制回避など/民泊新法案でシェアエコ協会意見
【 サンフランシスコ 】グーグルがウーバー提訴/自動運転技術の盗用で
【 東京 】川野、高野両氏が取締役就任へ/且ゥ動車会館、役員人事案承認
【 東京 】日経社説が「規制の砂場」評価/ライドシェア推進を注文
【 東京 】UD研修の積極参加など求める/東タク協・ケア輸送委、事業計画
【 東京 】ロビー出入口前に移設へ/羽田空港国際線タクシー乗り場
【 東京 】渋谷・六本木、新宿地区など/街頭指導、3〜6月の重点地区
※タクシー運転者(男)の賃金・労働時間(2016年)都道府県別一覧
 
2017年2月25日号−2 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】1000円の無料チケット/就活フェア会場への無料送迎も/東タク協「17年就活応援タクシー」
【 横浜 】動画配信、FBに大きな反響/神タ協、PR特別委の活動報告
【 東京 】クラウドソーシング企業が主導/経産省「働きかた」研究会
【 東京 】「バスタ新宿」の入構表示/街頭指導会議で改善要望を報告
【 東京 】ライドシェアの問題点など討議/全自交関東・東京が春闘討論集会
【 横浜 】ロボットタク社長の講演聴く/神タ協 労務・経営研究会
【 横浜 】「達人」「熟練」ドライバー/三和交通Gが運行開始
【 東京 】初乗り短縮の減収補填含め/自交東京、月額2万円の賃上げ要求
【 東京 】債務問題回避で特別講演も/東京交運労協が春闘決起集会
【 横浜 】関運局、譲渡譲受2件認可
 
2017年2月24日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】平均年収332万円、22万円増/16年賃金統計調査、全残業平均との格差縮小/タクシー運転者、高年収は都市圏に集中
【 東京 】規制ゼロベースの「サンドボックス制度」/特区法改正案に盛り込み
【 東京 】「適用除外」は維持できるか?/時間外労働の上限規制巡る駆け引き
【 東京 】新運賃、行政への苦情は25件/業界団体には爾後運賃絡みで
【 東京 】健康・労務管理で事故防止/自動車局がセミナー
【 東京 】外国人旅客接遇英語検定/東タクセン、第1回は21人受験
 
2017年2月22日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】タクシー事業の死活問題/時間外労働の上限規制に強い危機感/東タク協・労務委で武居副会長
【 東京 】「やりたいところがやればい」/事前確定運賃で武居氏
【 東京 】地域公共交通の「将来像」提示を/懇談会中間整理案に注文
【 東京 】4社内紛で不安広がる/大和と提携の中央無線各社
【 東京 】都内の個タク、1万3237人/1月末集計、12月末から45人減
【 東京 】東個協組合員数、8000人割る/2月末で7904人の見通し
【 横浜 】配車アプリのレクチャーも/神タ協横浜支部・理事会
【 東京 】UD研修講師、新たに23人/全福協、ライドシェアと差別化
【 東京 】傘下組合員に新運賃アンケート/全自交東京、4月中旬実施へ
【 東京 】自動走行バスの実証実験/沖縄・南城市で3月20日から
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Faxpress 関西版

活性化策に「大阪万博」の誘致協力
    大タ協、特定地域計画策定へ大阪府引き込み

【 大阪 】大タ協は3日、活性化特別委員会(道野隆委員長)を開き、大阪市域交通圏の特定地域計画に、大阪府が目指す2025年の万博誘致キャンペーンへの協力を盛り込むことを決めた。1月31日に予定していた協議会の延期理由について事務局が、従来の説明を一部修正する格好で「大阪府(の反対)」だったことを明らかにし、万博誘致への協力を提案した。供給輸送力の削減を含む特定地域計画に慎重な大阪府の懐柔策と言える。具体的にはタクシー車両への誘致ステッカーの貼付や、チラシの作成などを想定している。
 会議では、ライドシェア対策として全タク連が掲げる活性化策11項目への取り組みなどを協議。大阪独自の「プラスワン」として、現在、関協が実施しているJR新大阪駅乗り場でのドア・トランクサービスを大タ協として拡大実施することも決めた。午後5時から9時が利用のピークとされ、今後、南地や北新地の街頭指導への出動ローテーションなども勘案しつつ、交通安全委員会(森裕生委員長)と協議して、利用のピークとされる午後5時から午後9時の時間帯を中心に、具体的な活動内容を詰める。そのほか、タクシーの評価制度や優良タクシー乗り場の設置などについても意見交換した。
 委員会担当の古知愛一郎副会長は、配車アプリへの対応が他の地域より遅れていると問題提起。各社統一は困難としても、関係メーカーなどを招いてプレゼンテーションを兼ねた勉強会を開催してはどうかと提案し、前向きに検討することになった。
 そのほか、道野委員長は、改修中の大阪国際空港乗り場について、管理会社の関西エアポートが、1両ごとのタグ方式で月額5400円の使用料を求めている(既報)ことについて、「公共性、公益性を度外視した一方的な由々しき話」として、対抗策を講じていくべきだと主張した。
〔3月4日号関西版掲載〕 <Topへもどる>

2017年3月4日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】活性化策に「大阪万博」の誘致協力/大タ協、特定地域計画策定へ大阪府引き込み
【 大阪 】「接客レボリューション」/関協が指導員研修会と社長会
【 神戸 】「30両以下11両以上」の新区分/供給削減で神戸・阪神間役員会
【 大阪 】「働き方改革」で意見交換/大タ協・労務委員会 
【 大阪 】インバウンド対応のUD車補助/大タ協・技術環境委、事業計画に
【 神戸 】外国人対応で乗務員教育/兵タ協淡路島支部が実施へ 
【 神戸 】乗合タクの重要性増す/兵庫県・公共交通勉強会 
【 神戸 】体験乗車キャンペーン/本格運行前に「しおかぜ」
【 京都 】個タク5氏に認可書 
【 京都 】福知山でデマンド型乗合タク 
【 大阪 】大阪の乗務員、70歳超が22%に
【 神戸 】三ノ宮ターミナルビル建て替え/兵タ協、新ビルの乗り場で要望
【 大阪 】UDタクの中型扱いで要望
【 神戸 】「業務確認マニュアル」/兵タ協労務委、確認終え発送へ 
【 大阪 】近畿のタクシーシンポ、延期 
【 京都 】FFの迎車料金外しで認可  
【 京都 】日交が新設法人吸収合併 
【 大阪 】壽タクシー、住所変更届
【 大阪 】グループ内の全部譲渡認可
【 神戸 】昭和交通→神戸相互5両、申請
【 大阪 】近運局、法人1社車停処分
 
2017年3月4日号−2 関西版 ニュースヘッドライン
【 京都 】深夜割増廃止の「処分」/京都業界、恒久認可と低運賃絡んで抵抗感
【 神戸 】女性、若年層に焦点/人材確保で兵タ協東播支部 
【 神戸 】兵タ協丹波支部が総会
【 大阪 】ビリケンに代わり「もずやんタク」/大タ協が新たに運行へ  
 
2017年3月3日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 神戸 】15%へ削減方法を「40両」で線引き/神戸市域 大手、中小の区分は「60両」だが…
【 京都 】FFタク「専用アプリ」お披露目  
【 神戸 】適正化「40両」の根拠で質問も/神戸・阪神間支部役員会
【 大阪 】運改で5月目途に意見交換会/一般会員含め、大タ協・経営委
【 大阪 】認知症サポーター養成講座/大タ協、4月5日に開催へ
【 大阪 】公共交通会議などで意見交換/大タ協・地域交通委  
【 神戸 】深夜の市バス停留所開放/兵サセン、県警本部と協議へ
【 大阪 】慎重意見と「目的は同じ」/「異動制度」の狙いで和田氏 
【 京都 】優良個タク7人、京運支局長表彰 
【 大津 】50周年で看護協会に記念品/滋タ協、ゆりかごタクで協力
【 神戸 】東阪神タク協組、優良運転者表彰式 
【 大阪・松山 】近傍連がブロック学習会
【 大阪 】全大個協組、譲受の7氏に認可書
【 大阪 】大阪自動車会議所が人権研修会
 
2017年3月1日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】大阪市域の実働率、63%/大タ協・1月輸送実績、日車営収は3万3000円台
【 大阪 】期間限定の8社、2月は延伸/京都市域の深夜割増廃止で近運局
【 大阪 】「地方創生」の冠でアピール/個タクふるさと異動制度 
【 大阪 】大タ協常任理事会は3月9日に 
【 京都 】「乗務員が確保できる運賃」/京タ協・経営委、価値観に変化も
【 大阪 】業績悪化の無線事業/交友会、見直し議論開始  
【 神戸 】語学研修など、活性化の柱に/兵個協、UD研修も推進 
【 大阪 】優良個タク41人、大運支局長表彰 
【 大阪 】個タク更新研修会に142人 
【 神戸 】DRを地域の防犯カメラに/乗合タクの経費補填でアイデア
【 大阪 】執行部弁済案に一般会員等賛否/大タ協の公金横領事件処理
 
2017年2月25日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】近運局、期間限定8社は年度内に処分へ/京都の深夜割増廃止、恒久認可4社にも着手
【 大阪 】ライドシェア阻止へ小委活性化/労働側要請に大タ協は――
【 大津 】滋賀エムケイ減車、44両→26両 
【 神戸 】代行業者の白タク類似行為/兵タ協として取り締まり要請へ 
【 京都 】「乗務員確保」最大命題に/京タ協・労務委、事業計画案
【 神戸 】人材確保へ新戦略模索/兵タ協神戸・阪神間支部  
【 神戸 】適性診断の助成対象拡大/兵庫交通共済、4月から 
【 大阪 】大タ協・女性部会「子育てタク」学ぶ  
【 大阪 】「ノートe−POWER」/SATが河北で試験導入
【 大阪 】4月は「関西ブロック」で/自交大阪、白タク阻止行動
【 京都 】京都市個人、役員改選公示/3月16日の臨時総会で投票へ
【 神戸 】苦情多発で4〜5年ぶり開催/加古川駅前協議会、罰則に9割賛同
【 京都 】ユニオンのFFタク、復活へ 
【 神戸 】山陽タクシー労組、春闘開始  
【 和歌山 】田辺西牟婁タク組合解散/共通チケット低迷で3月末に 
【 京都 】自交総連京都地連が中央委 
【 京都 】帝産京都が都市型ハイヤー3両増車  
【 大阪 】近畿交通、役員変更届
【 京都 】梅田交通Gが役員変更届 
【 大阪 】近運局、法人1社車停処分
 
2017年2月25日号−2 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】大阪は平均368万1300円/16年度賃金統計調査、7万5100円アップ
【 大阪 】2回目の指導も拒否/下限割れ運賃の壽タクシー 
【 大阪 】ワンコインドームも拒否 
【 徳島 】金比羅タク「運賃指導、まだない」 
【 神戸 】「神戸開港150周年」/兵タ協、貼付協力で周知
【 大阪 】桜川共同休憩所に食堂入居へ  
【 大津 】私鉄関西ハイタク協が緊急幹事会/京都バスタク事業廃止で
※タクシー運転者(男)の賃金・労働時間(2016年)都道府県別一覧
 
2017年2月24日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 京都 】深夜割増廃止問題に決着を/京都市域、下限割れ解消へ当局の責任
【 神戸 】ジャパンタクの「中型扱い」/兵タ協も要請決める 
【 神戸 】神戸市域、昨年末から60人減/1月末の運転者、70歳超のみ増加 
【 神戸 】初乗り短縮含む運改検討/兵タ協・経営委、3地区参考に 
【 神戸 】「消極的容認」の立証が限度/速度違反への運行管理者の関与で  
【 大阪 】タクシー関係は15人/近運局、自動車関係功労者表彰  
【 神戸 】地元3社が養父市と意見交換/交通確保で協働を模索  
【 大阪 】「危機意識感じられない」/大タ協横領事件処理に一般会員
【 神戸 】須磨区潮見台地区の生活交通/検討会初会合に7社参加
【 神戸 】播磨町のコミュバス実証実験/兵タ協東播支部が応募
【 大阪 】北新地の街頭指導中止
 
2017年2月22日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】下限割れ各社を支局に呼び出し/近運局、運賃変更求め2回目の指導
【 大阪 】諸問題解決へ労使で意見交換/大阪ハイタク労協、安部教授が立ち会い
【 大阪 】一般会員には疑義も/大タ協横領事件の弁済案
【 京都 】アプリ運用前に準備・研修会/FFタク、認定運転者120人参加
【 京都 】「FFアプリ」お披露目/運用開始の3月1日、東本願寺で 
【 大阪 】乗務員自身が「引き際」判断/高齢化の中で労組の役割も
【 神戸 】阪神タク労組、継続協議で秋闘妥結  
【 京都 】みとちゃんタク、10両分割譲渡/女性乗務員特化で増員に限界  
【 京都 】北部地区のUD「中型扱い」/京タ協、3月3日に要請へ 
【 大阪 】「フリー受験」で1年以上の待機も/個タク譲渡譲受、協組通じ計画的に
【 神戸 】雇用関係の助成金制度/兵タ協労務講座で解説  
【 大阪 】池田タク・綿引社長が結婚披露宴 
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