【 東京 】東タク協（川鍋一朗会長）は８日、千代田区の自動車会館で20年度第１回理事会を開催した。緊急事態宣言に伴う新型コロナウイルス感染防止策として出席者に対する会場入口での消毒の徹底や、マスク着用などを確認の上、「できる限り３密を避ける」とし、審議も40分余りの短時間で終えた。22日開催の20年度通常総会の上程議案などへの承認を求めたもの。コロナ禍による休業などで会員事業者の収入が大幅に減少していることから、20年度会費については６、７月の２カ月分を減免。これに伴う収入減は収益部門からの繰り入れや前年度の繰越金などで対応することとした。また、昨年12月の理事会で今年５月末の事業終了が決まっていた「スマホdeタッくん」の残余財産処分案を決定し、補助金返還後の2400万円を一般会計に組み入れる。
　今年度総会は当初予定のホテルニューオータニから理事会と同じ自動車会館に会場を変更、「できる限り委任状提出などで出席者を絞り、議決に必要な定員を確保した上で開催する」との運営方針を示し、理事会終了後に支部長ら関係者を集めて総会出席者の絞り込みを依頼した。
　川鍋会長は冒頭あいさつでコロナ禍による営業自粛で休業などを余儀なくされている会員らに「タクシー業界は極めて大きな打撃を受けている。輸送実績も大きく落ち込み、深刻さが増しつつある」とし、「そうした中で明るい展望が各社が取り組む料理メニュー配送などデリバリー業務だ。国土交通省には今月13日までとされる特例期間延長を申し入れたが、９月末まで延長できることになった。最初は６月の間違いではないかと思ったが、予想を超えた延長をしていただいた」と歓迎姿勢を示し、「恒久的な扱いはまだだが、タクシーにとっては唯一明るい希望だ」として「コロナ禍が収束した後振り返り、タクシーにとって良かった（ことの）一つにしたい」などと述べた。
　東タク協によると、６、７月の会費免除による収入減は5600万円。この原資は収益部分からの繰入金、前年度からの繰越金を流用。収入の２カ月停止の資金繰りについて前年同月は約5900万円の支出で、今年度同額で推移した場合でも「特に資金ショートすることなく協会運営ができる」と報告した。
　なお、20年度事業計画案について東京オリンピック・パラリンピックの開催が延期されたことで、これらに伴う事業計画の一部を変更することも承認された。
　また、今期は役員改選期ではないが、人事異動などに伴い足立支部で今井洋氏から織田一氏（織田タクシー）に、城北支部で宮本繁樹氏から宮本基央氏（東都ハイヤー）に、新都心支部で杉山錬秀氏から羽鳥いずみ氏（大陸交通）に、中央支部で山ノ上哲男氏から関和也氏（小田急交通）に、千代田・港支部で郭成子氏から安田智美氏（宮城交通）にそれぞれ理事が交代することになり、総会に議題として提出する。
　なお、新たに関東自動車交通（近藤洋子社長、東京都江戸川区松江５ノ６ノ８、タクシー90両、ハイヤー１両）の入会を認めた。同社はかねて協会会員だったが、譲渡譲受で新規会社を立ち上げたことから、４月１日付で改めて新規入会を申し込んでいた。
〔５月９日号関東版掲載〕　 <Topへもどる>