ハイヤー・タクシー業界専門情報紙  株式会社 交通界
2023年9月11日

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「週刊交通界21」毎月4回情報発信

供給不足か、供給過剰か―?
     需給判断と輸送実績から現状を読み解く
         議論の前提条件は整っているのか?

 関東運輸局は8月31日、管内28の準特定地域における需給状況判断結果と適正と考えられる車両数を公示した。22年度輸送実績を基礎としたもので、数字を見る限りすべての地域において供給過剰という判定に揺るぎはなく、昨今話題の「タクシーの供給不足」とは少々異なった印象を与えている。ただ、算定基礎は22年度の実績値を用いているが公示の内容はあくまで同実績に基づく23年度の状況を推計したものであり、「去年はこうだった」というものではない。実際のところはどうなのか、少しばかり考えてみた。

関運局公示から、東京に絞って考える
 全国の地方運輸局で8月31日に相次いでタクシーの地域需給状況判断結果及び適正と考えられる車両数が公示されている。関東運輸局も同様で、本紙交通界速報関東版でも9月2日号で報じた。その結果が表1、2である。コロナ禍の3年間で外出自粛等により適正車両数は大幅に縮小し、それぞれの年度末実在車両数との乖離率は急激に膨らんだが、22年度実績を算定基礎とした本年8月末の公示では乖離率がかなりの改善を見せた。とは言うものの、東京都特別区・武三交通圏でも適正車両数上限値との乖離は19.7%であり、北多摩・南多摩・西多摩の各交通圏では37.8%、38.2%、43.9%の供給過剰という判断が示されている。神奈川県京浜交通圏でも乖離率は34.3%で、似たような状況にある。
 今春以降、新型コロナウイルスの5類移行と相前後して、人の移動が活発になったこと、加えてインバウンド増によるタクシー需要も運賃値上げにもかかわらず衰えることがないようで、昨今では「タクシー不足」が話題になることも多く、タクシー不足を根拠にした自家用車ライドシェア解禁論も盛んになりつつある。
 公示結果はあくまで供給過剰を示し、一方で世間で言うタクシー不足とは相いれない結果になっており、いったいタクシーは不足しているのか余っているのかどちらなのか、判断に迷うところだ。そこで本欄では全社輸送実績のデータが揃っており、関運局の持つデータにかなり近い精度の東京の輸送実績をもとに考察してみることにした。とはいえ、東京にも東タク協非加盟の事業者は一定数存在しており、東タク協全社輸送実績=関運局の需給状況判断データというわけではない。9割程度はカバーされているのではないと推測するが、傾向を見るには手元に参照できるものが他にないため、便宜的にこれを利用するということはあらかじめお断りしておきたい。

公示結果は実態とかけ離れているのか?
 8月末の関運局公示はタクシー事業適正化・活性化特措法に基づく準特定地域における22年度実績を基にした算定結果を示すものだが、最初にお断りしておかなければならないのは、算定基礎が22年度実績だからといって前年度が供給過剰だったいう直近の年度の状況を示しているというわけではないということ。直近年度の実績値に直近5年間の輸送実績の推移による増減率を用いて本年度(*この場合23年度)の数値を推計しているので、あくまで本年度そのものの需給状況をある一定の条件の下で想定したものであるということだ。「1年遅れの結果」ということではない。
 ただし、過去5年間の実績の推移をもとに推計値を出すということは、この5年間に本年度の計算上ではコロナ禍の3年間という異常値が含まれることになり、推計需要は下方に引っ張られることは避けられない(*特別区・武三交通圏の場合23年度の輸送需要量の推計は直近22年度に95%を乗じたものとされている。北多摩・南多摩では同91%、西多摩では90%)。自然な経済変動の下では過去5年間の実績値の推移は根拠のある算定方法だったが、コロナ禍を脱しようという「急回復期」には実態との乖離が拡大する傾向が避けられない。算定方法自体は国交省通達であらかじめ定められており、少なくとも今回は見直されることはなかった(*もう少し実態に近づけようと思えば、算定方法を見直しても良かったのではなかったか)。少なく見積もられた輸送需要量に対し、年度末での実在車両数は掛け値なしのそのものの数字なので、計算結果は実態より供給過剰気味に算定される。その意味では、いわゆる世間の声と公示との間には一定の乖離があると言ってもよさそうだ。

年度末実在車両数に  22年度実働率を乗じてみると
 表3、4は東タク協がまとめた特別区・武三及び多摩地区の全社輸送実績だ。公示によれば適正車両数の上限値及び下限値は23年度の輸送需要量推計に通達であらかじめ定められた計算式(*輸送需要量÷(平均総走行キロ×01年度実車率÷平均延実働車両数)÷365÷実働率)を用いることになっており、特別区・武三交通圏では上限の実働率は80%、下限は同90%とされている。北多摩、西多摩は特別区・武三と同じ、南多摩では上限80%、下限92%ということになっている。
 タクシー経営の効率化を図りつつ、乗務員の労働条件を改善し、本格的タクシー規制緩和前年度の01年度並みに業績を回復させるという法制定当時の趣旨には適っているものの、算定のための指標としては現実からの乖離は著しい。表3、4と比べると実働率はかけ離れた数字が用いられており、その結果適正車両数も、「本当に適正?」という疑問なしとしない。とはいえ、特措法制定当時の趣旨に添い、あくまで理想のあるべき姿を追求するという意味では算定方法はこのままで良いという考え方もあるだろう。
 それはそれとして、年度末実在車両数はまさに認可車両数そのものを示しているに過ぎず、クルマは車庫に大量に抱え込んでいるが乗務員がいないために動かないという実情もあるため、メディアでも報じられているタクシー不足という感覚とは少なからず開きがある。そこで23年度も22年度とほぼ同様の実働率にとどまると仮定した場合について考えてみるとどうなるか。22年度末実在車両数に22年度実績(通年)の実働率を乗じてみると、稼働するであろう車両数の推計は特別区・武三交通圏の場合では2万8128両×65.1%=1万8311両となり、多摩地区(実働率データがないため北・南・西多摩の3交通圏合算で)では、(1701両+1219両+198両)×61.9%=1930両となる。この結果は特別区・武三交通圏では必要車両数(=適正車両数下限値)を下回り(つまり供給不足)、多摩地区(3交通圏合計)では適正車両数の範囲内にあるということになる。

数字上は供給不足?
 上記はあくまで簡易な計算方法により、認可済みの現存車両数に替えて直近の実働率を勘案して実際に稼働している車両数と適正車両数を比較したものだ。適正車両数側は近年の状況変化を忖度せずそのままの数値を用いた場合であり、考え方として若干の偏りは避けられないが、公示の値をそのまま見るよりは実情に合っているのではないか。
 というようなエクスキューズもありながら実働車両数ベースで比較してみると乗務員を充足させ、稼働車両数を増やしていけば特別区・武三交通圏では適正車両数の範囲内にやがて収まり、多摩地区では場合によっては再び供給過剰になる可能性を拭えないということになるだろう。となると中国人団体旅行客などによる大幅な需要増やさらなる運賃改定による台当たり増収などなしには乗務員の賃金・労働条件は再び低下することも危惧される。

タクシー不足とはなにかを定義せよ
 そもそも、タクシー不足とは何なのか?その定義は極めてあいまいなまま議論が進んでいる。特定の時間帯に駅の乗り場にタクシーがおらず、乗客のタクシー待ち行列ができているとか、アプリで呼んでみたもののタクシーが来ないとか、さまざまな状況が起きていることは事実だろう。一方で、それは例えば大都市部、地方都市、郡部でくまなく起きていることなのか、東京などの大都市部であれば鉄道の運行状況や天候などに左右されずあらゆる地域、あらゆる乗り場で起きていることなのか?あまりにもデータに基づかない個人の経験に基づく話ばかりなのではないか。
 いかなる指標がどうなった時、タクシー不足と言えるのかということを定義することなしには正確で説得力ある議論はできないと思うのだがいかがであろうか。(了)
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No.970 9月11日号  主な内容
■巻頭人物
海田 正則氏/大日本交通社長
■気になる数字
8.5ドル
  最低賃金の国際比較を購買力平価で行った際の我が国の最低賃金の米ドル換算額。
  韓国には及ばないが、米国よりも高くなっている。
■トピックス
:RS解禁論は「人権問題」では?
               〜各種メディアによる世論形成には適時反論を
:アプリ配車が供給不足の原因に?
               〜見須 一隆・全自交東京地連委員長インタビュー
:坂本克己・全タク連最高顧問が大応援
               〜公明党大阪本部が政経懇話会開く
:アフターコロナの中快走を続ける
               〜日の丸ハイヤーG
:多様化の時代にタクシーを増やす努力を
               〜大阪タックングループ代表 大沼 仁洪氏
:改めて「ちょうちんブランド」の下に結集を 
               〜日個連都営協理事長 冨本 哲哉氏
内外交差点
給与のシンプルさがもたらす効果  土橋 豪氏(特定社会保険労務士)
ロボタクシーに抱く危機感?    浦田 誠氏(ITF政策部長)
東西往来
:猛暑の中、「轢けば地獄」の路上横臥者 / 高齢者・障害者の対応をテーマに
この人この言葉
:保岡 政利氏 / 秋山 芳晴氏 / 大岡 理人氏 / 池田 英憲氏
シャッターチャンス
:ライドシェアもリソース投入? / 批判する中身が十年一日では…
:「夏休み」を満喫する場合か? / 国への協力に格好の取り組みに
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速さ+確かさ
交通界速報(『交通界21』特別サービス号/ 週3回配信)

 

交通界速報 関東版
1種免タクシー特区は「事実誤認」?
          NHKの勇み足との見方強まる
                    福岡市、市協会が本紙取材に回答

【福岡】6日のNHKニュースは、「福岡市が一定の条件を満たせば普通1種免許でタクシー乗務を可能とする特区申請を行う方向で調整を進めている」などと報じた。一方で、本紙の取材に対し福岡市、福岡市タクシー協会ともに、「報道は事実誤認」と答えており、今回はNHKの勇み足との見方が強まっている。
 NHKニュースでは、コロナ禍により離職したタクシー乗務員の職場復帰が進まないことなどによる人手不足の深刻化が起きているとした上で、一定の条件を満たせば1種免許でもタクシーに乗務できる全国初の制度の導入を目指し、国に特区の設置を要請する方向で調整を進めているとし、一定の条件については@タクシー会社の社員であることA講習を受講すること―などと紹介している。また、福岡市が今後、国やタクシー業界とも具体的な調整を進めることにしている―などと報じた。
 本紙の取材に対し福岡市の特区申請統括部門である総務企画局企画調整部では、「交通担当部局から具体的な話は聞いていない。現時点で特区申請に動いているという事実はない」としているほか、交通担当部局である住宅都市局交通計画課でも、「タクシーが不足しているという認識はあるが、特区を検討しているという事実はない。NHKに対しては『事実誤認である』との旨を伝えている」と話している。また、福岡市タクシー協会でも、「事前に特区設置に向けた話し合いをしたことは一度もない。ニュースは誤報だと認識している」などと話している。
〔9月9日号関東版掲載〕  <Topへもどる>

2023年9月9日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】RSは利用者保護に課題/松野官房長官 定例会見で
【 仙台 】RSの導入早急に対応すべき/菅前首相 シンポジウムで
【 東京 】法人運転者 増加傾向が続く/東タクセン 8月運転者証交付
【 東京 】斉藤国交相は留任の見通し/13日にも内閣改造断行か
【 東京 】RS阻止へ労働6団体が結束/危険性を改めて周知へ
【 東京 】課題はRSのリスクアピール/全自交東京地連・見須委員長
【 横浜 】自民党タク議連との連携を密に/神タ協・伊藤会長インタビュー
【 東京 】ラッピングタク出発式開催/自転車事故防止 政和自動車
【 東京 】22年度モニター調査結果発表/東タクセン
【 東京 】優良乗務員表彰式を10月開催/全タク連交通安全委員会
【 横浜 】群馬県新運賃公示
【 東京 】景気ウォッチャー調査結果公表/8月分 内閣府
【 東京 】国交省令の一部改正を閣議決定
【 静岡 】セミナー展示会開催/10、11月 システムオリジン
 
2023年9月8日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】欠員補充は年度内達成、プラスαも/「コスト負担」で人は来てくれる/国際自動車 松本良一常務
【 東京 】ちょうちんブランドの下に結集を/冨本・都営協理事長
【 東京 】「RS活用も模索」との意見も/リ・デザイン会議 初会合
【 東京 】優良乗務員表彰、全国から49人/全タク連交通安全委員会
【 横浜 】法人10人、個タク6人受賞/神運支局 運転者表彰式
【 横浜 】「5割ルール」クリア/特区武三のハイヤー運改申請
【 東京 】ふるさと名産タクシーでPR/NTとS.RIDE
【 東京 】石橋議長らを再任/私鉄関ハイ 定期大会
【 東京 】ナスバ 安マネセミ10月開催
【 千葉 】私鉄関ハイがゴルフ大会
 
2023年9月6日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】「2種免緩和」を本気で検討?/従来のように「反対」だけでは済まない/全タク連・武居副会長
【 札幌 】ライドシェア解禁に意欲/自民党 小泉氏
【 東京 】ライドシェア反対が55%/賛成は31%程度 JNN世論調査
【 横浜 】京浜は微増で1万人台維持/神奈川年齢別法人運転者証交付数
【 東京 】JR新橋駅で違法客待ち駐車/東タクセン、改善徹底呼びかけ
【 東京 】3都市でGOがトップに/タクシーアプリ調査結果
【 広島 】島根県本土地区運改要請開始/中国運輸局
【 東京 】P・Bともに600ドル台乗せ/LPG 12月先物価格
【 福岡 】熊本・奄美運改要請申請開始/九州運輸局
【 東京 】エネルギーマネジメントで連携/レクシブと第一交通産業
【 東京 】職業体験型学習プログラム実施/帝都自動車交通
【 三重 】オリジナルアプリサービス開始/安全タクシー三重
【 東京 】事故防止責任者講習会 開催
 
2023年9月2日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 横浜 】特区・武三は19.7%の供給過剰/供給不足指摘の中で矛盾の判断か?/関運局、需要状況判断結果を公示
【 東京 】最賃1500円「30年代半ばまでに」/新しい資本主義実現会議で岸田首相
【 横浜 】RS「慎重検討」でも懸念/黒岩知事発言に神タ協・伊藤会長
【 東京 】LPG 9月CPは大幅上昇
【 東京 】1種免による運行案撤回を要求/自交東京 市ヶ谷駅前宣伝行動
【 静岡 】ライドシェア解禁論に危機感/日交労 運動方針討論集会
【 東京 】全アサヒ交通労組が3連覇/中労協ボウリング大会
【 東京 】国交省 基本方針を変更/改正地活法施行へ
【 東京 】全タク連 パブコメに意見提出/改正地活法関係省令
【 東京 】二輪・自転車事故が全体の43%/東京ハイタク交通共済協組
【 東京 】秋の交通安全運動に向けて準備
【 東京 】4〜7月の累計損2702万円/日個連共済 和解の大口支払いあり
【 横浜 】一括申請なら手数料600円下げ/運転者証等再交付で神奈川タクセン
【 東京 】kmグループ加入の出発式/日月東交通が1日 開催
【 東京 】産総研にデータ提供開始/GO GXプロジェクト
【 東京 】SBスマホユーザーにポイント/S・RIDEがキャンペーン
【 東京 】東京でRS解禁対策で意見交換/坂本氏、ウーバーイーツ労組交え
【 東京 】国際福祉機器展&フォーラム 27日から
 
2023年9月1日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】ライドシェア解禁に慎重意見相次ぐ/「国会決議で反対」の流れ変わらず/自民党タクシー・ハイヤー議員連盟 総会
【 横浜 】神奈川県内でRS導入検討指示/黒岩知事「タク業界とも協議」
【 東京 】免税事業者用表示灯を装着/インボイス未取得者に都営協
【 横浜 】特区・武三は47.21%/都市型ハイヤー運改申請
【 東京 】グリーンキャブが優良社員等表彰式/交通遺児等育成基金へ寄付金も
【 東京 】新デザインへの切替え目立つ/運転者証・事業者乗務証
【 東京 】燃料価格激変緩和措置の延長を/全タク連が要望書
【 東京 】英語検定合格者1211人に/東京タクセン 新たに18人
【 横浜 】新規講習予約の空きなし/希望者急増で 神奈川タクセン
【 横浜 】就職説明会に満杯の50人/神タ協横浜がハローワークと
【 大阪・山形 】山形拠点にタクシー事業展開/1日から 日の丸ハイヤーG
 
2023年8月30日号 関東版 ニュースヘッドライン
【 東京 】現職閣僚が公の場で初のRS容認/過疎地からの自動運転も視野に/河野・デジタル相 報道番組で
【 東京 】供給不足「危機感は菅氏と同じ」/斉藤国交相 従来見解を維持
【 東京 】「対RSこれまでにない危機感」/交通労連ハイタク部会・手水氏
【 東京 】特別区・武三の日車営収19.4%増/東タク協 7月原計輸送実績
【 東京 】ライドシェアには丁寧な接客で/労使合同で夏季セミナー
【 東京 】ライドシェア解禁検討掲げる/日経 社説で
【 東京 】「出番消化でライドシェア対応」/平和自交労組 新人対象職場会
【 東京 】タクシー営業などに特化/東タク協、インボイス説明会
【 東京 】10月にUD講師養成講座/全福協、9月1日から募集開始
【 東京 】タクシー運転者証交付7月分/マイナス傾向続く 多摩地区
【 東京 】組織改革委初会合 報告/日個連交通共済協組 理事会
【 東京 】24年度税制改正要望事項 公表/国土交通省
【 東京 】24年度組織定員要求 公表/国土交通省
【 東京 】24年度予算概算要求 公表/国土交通省
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速さ+確かさ
交通界速報(『交通界21』特別サービス号/ 週3回配信)

 

交通界速報 関西版

「タクシーですべてを賄う」宣言を 
              対ライドシェア解禁論で 大タ協・古知副会長

【大阪】大阪タクシー協会の古知愛一郎・筆頭副会長(梅田交通グループ代表)はこのほど、本紙記者のインタビューに答え、都市部、周辺部を問わず乗務員不足からタクシー不足が取りざたされており、それを理由にライドシェア解禁論が鎌首をもたげてきたことに対し、「まずタクシーですべてを賄いますという宣言をして、それにはこういう支障があるからどうにかしてくださいと言うべきだ」等と語った(詳細は9月27日の『交通界21 全タク連事業者大会特別号』に掲載)。
 古知氏は近郊のタクシーの実情に触れ、「構造的な問題があるので、住民やインバウンド客の需要増を一概にタクシーでカバーせよと言われても難しい。地方では、昔の緩い管理のタクシーに戻してくれれば再生ができるかもしれない」と指摘した。

〜そもそも労基法適用に無理が?
 また古知氏は、「そもそもタクシーが労働基準法を適用するような労働かどうかも問題」とも指摘。「タクシーに労働基準法が適用されているのは日本以外にない。ライドシェアが海外で問題にならなかったのは、タクシーがライドシェアだからで、誰でも乗れるし、労働時間の規制もない。ただタクシーは流しができ、乗り場や空港に入れるという違いと優位性があったから」などと問題提起。「世界のタクシーとRSの現状を見て、日本は全然違う環境なので、同じ土俵で議論はできない。日本以外は世界中、全部RSとタクシーは共存している。RSより優れたRSがタクシーだから共存できるわけだ。しかし日本の(さまざまに管理された)タクシーはRSなど解禁されたらとても対抗できない」と述べつつ、「タクシーが需要に対して供給しないから、代わりのものを出せと言われているのが今のRS解禁論で、タクシーがやったら良い。いつでもどこでもタクシーが来て、ぱっと乗れたらRSなど要らないと思う。それをしてくれないからRSでも入れたらどうかとなるわけだ」と、「まずタクシーですべてを賄いますと宣言し、それにはこういう支障があるからどうにかしてくださいと言うべき」などと語った。
〔9月9日号関西版掲載〕 <Topへもどる>

2023年8月26日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】大タ協が4項目の要望書を提出/大阪維新の会と政策要望懇談会
【 大阪 】プラス5%の目標設定など説明/大阪メトロ、全大個協会を訪問
【 大阪 】損保代理店業務の是非を問う/全大個協組 21日に臨時総代会
【 福岡 】「1種免タクシー特区」は大誤報?/NHK報道に市協会も「事実誤認」
【 京都 】市の地域公共交通計画に意見募集/京都市 9月15日〜10月16日
【 大阪 】運送業界の魅力を発信/ハロワセミナーに日交G関西
【 大阪 】日交G関西 オリジナルマステ
【 神戸 】「RS導入を自治体が求める」?/荒井タクシー 信原社長
【 大阪 】関西MaaS推進連絡会議、14日に
【 京都 】エコモ財団から講師招き開催/京都府 エコドラマイスター講習会
【 仙台 】RSの導入早急に対応すべき/菅前首相 シンポジウムで
【 東京 】RSは利用者保護に課題/松野官房長官 定例会見で
【 東京 】RS阻止へ労働6団体が結束/危険性を改めて周知へ
【 神戸 】コミュバスを10月から本格運行/神戸市東灘、中央、須磨の3区
【 神戸 】兵庫交運、労働局交渉へ
【 静岡 】東京・大阪でセミナー展示会/システムオリジン
 
2023年9月8日号 関西版 ニュースヘッドライン
【 奈良 】国交省に「分割休息」の特例要望書/奈タ協・池田会長 県の合意経て提出へ
【 京都 】人的支援でアオイGが新規参加/京都乗合タク「実現会議」
【 京都 】京都市地交計画の進捗報告など/洛西・山科両地区会議開催へ
【 大阪 】7、8月は苦情件数前年比増/大運支局が一水会で報告
【 大阪 】コロナ禍収束に伴い指導件数増/北新地自主街頭指導検討会
【 神戸 】試作中のポータルサイトを精査/兵タ協・広報特別委員会
【 神戸 】兵協が事業運営委員会
【 神戸 】兵協が総務委員会を開催
【 大津 】4年ぶりの「街頭現地指導」/滋タ協 事故防・サービス合同委
【 大阪 】地交会議について説明/大阪市関係者が全大個協会を訪問
【 大阪 】タクシーを増やす努力を/大阪タックンG・大沼代表
【 京都 】今年も京都水族館とコラボ企画/京都エムケイ 9月30日まで
【 京都 】「整備管理者選任後研修」を開催/京タ協 加盟事業者に通知
【 東京・神戸 】「アプリ併用」で売上10万円増/DiDi、兵庫で8社205両拡大
 
2023年9月6号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】「要望を胸に置き仕事をしていく」/公明党の政策要望懇談会で斉藤国交相
【 大阪 】坂本・最高顧問が応援/公明党の政経懇話会で
【 和歌山 】最高顧問に野福己氏/和タ協、理事会で承認
【 東京・大阪ほか 】「ライドシェア解禁」に55%が反対/賛成31%にとどまる JNN世論調査
【 札幌 】「タクシーだけでは解消できない」/小泉元環境相 RS解禁に意欲
【 大阪 】「日経系こそ論じる資格なし」/日本城タクシー・坂本社長
【 東京 】3都市でGOがトップに/タクシーアプリ調査結果
【 大阪 】RS阻止には、2種免の簡素化/自治体で補助の検討を
【 京都 】デマンド乗合タク運行実施/10月2日から 日本交通・舞鶴
【 大阪 】運賃変更案などを上程予定/CM社、全大個協会に事前説明
【 大阪 】インボイス登録宣言式開催/13日 全大個協組
【 三重 】オリジナルアプリサービス開始/安全タクシー三重
【 神戸 】阪神タクシー、役員変更
 
2023年9月2号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】供給不足指摘の中「供給過剰」に?/近畿管内準特地域の需給判断
【 大阪 】RS解禁論への「反応の統一を」/大タ協・坂本会長
【 東京 】LPG 9月CPは大幅上昇
【 大阪 】都心部では乗務員増続く/大タクセン 運転者証交付状況
【 京都 】「就活ブース」やPRで課題/京タ協 タクシーフェア総括
【 大阪 】「京タ協の乗合タク」利用促進策/近運局が企画提案募集
【 東京 】東京でRS解禁対策で意見交換/坂本氏、ウーバーイーツ労組交え
【 東京 】「タクシーに反対の資格なし」?/WBSでもRS解禁論
【 京都 】「紹介事例」のささえ合い交通/運行NPOがFBでアピール
【 大阪 】損保代理店業務を再び臨総へ/全大個協組 理事会で
【 大阪 】高齢者・障害者の乗降に注意を/全大個協組がコンプライアンス研修
【 大阪 】GO 手数料収受の説明会/全大個協組組合員に6日から
【 京都 】インボイス登録とアプリ利用/DiDi 8日に京都で説明会
【 神戸 】1.5種免許等、「個人的には賛成」/兵タ協東播支部・宇高副支部長
【 東京 】産総研にデータ提供開始/GO GXプロジェクト
【 大阪 】今年も輸送実態調査 大タクセン
【 京都 】京都市、テムザックと協定締結へ
【 大津 】秀吉をめぐるツアー 近江タク
【 大阪 】自動車点検整備推進運動強化月間/9・10月 近運局自動車技安部
【 大阪 】「点検整備推進Car」出発式
【 大阪 】岸和田交通が関空専用車4両増車
【 大阪 】事前確定運賃認可
 
2023年9月1号 関西版 ニュースヘッドライン
【 東京 】ライドシェア解禁に慎重意見相次ぐ/自民党タクシー・ハイヤー議連総会
【 大阪 】青空交通はじめ93者を公表/大タクセン「認定優良事業者」
【 大阪 】「RS解禁の動きと闘うべき」/大タ協 広報サービス委員会
【 奈良 】分割休息など10項目/奈タ協 公明党懇談会で要請
【 大津 】「チームしが県議団」と意見交換/滋タ協 5項目の要請も
【 京都 】京タ協 インボイス対応せず/正副会長会議で決定
【 京都 】免税継続「1割にも満たない」/全京・家段理事長
【 京都 】「人材確保動画」のイロハを学ぶ/京タ協「採用力向上セミナー」
【 神戸 】「業界若手が知恵を出すべき」/ライドシェア解禁論に信原氏
【 京都・札幌 】兼元相談役に「感謝状」贈呈/全タク連 今月の事業者大会で
【 京都 】京タ協が人権研修会/参加者が事例説明も
【 神戸 】待機場設置を継続要請へ/三ノ宮駅乗り場問題で 全自交兵庫
【 京都 】京都市が交通対策研究会/9月 嵐山・東山で開催
【 京都 】清掃活動に京タ協から2人参加/ハンナリーズ、京都市など共催
【 大阪・山形 】山形県にも拠点を拡大/日の丸ハイヤーG 415両に
【 大阪 】RS解禁論に断固反対を/私鉄関西ハイタク労連が定期大会
【 大阪 】全自交関西地連が執行委員会/ライドシェア解禁の動きに警戒
【 大阪 】全自交大阪地連が執行委員会
【 大阪 】ネーミングライツ更新/大阪エムケイ アメフト球技場
【 大阪 】アウィーナ大阪へ会場変更/全大個協組 インボイス登録宣言式
【 大阪 】近畿・大阪交運労協、定期総会日程
 
2023年8月30号 関西版 ニュースヘッドライン
【 大阪 】優良事業者に法人93者が認定/優良事業者等評価委員会で承認
【 京都 】9社の21条許可申請が出揃う/京都駅での乗合いタクに向けて
【 大阪 】「本気で抵抗しないと危ない」/日本城タクシー・坂本篤紀社長
【 神戸 】運送収入は10%以上増/神戸、姫路等の7月原計実績
【 大阪 】「失政を隠すためのRS」と糾弾/自交大阪・庭和田書記長
【 大阪 】「アプリ配車待ち」へ問題意識/関空運営協議会 理事会
【 大阪 】「1種は良いが緑ナンバーは維持」/壽タクシー・浦木山社長
【 東京 】現職閣僚が初のRS解禁容認/河野・デジタル相 報道番組で
【 大阪 】「車道への飛び出しが約6割」/対自転車事故で近運局自技安部
【 京都 】「京峰石」が話題に/16日刊行の書籍に掲載
【 京都 】「京都美食めぐり」開催/9月から エムケイが共催参加
【 大阪 】ワンコインドームで役員変更
【 京都 】本社移転、車両用途変更申請/プリンセスリムジン
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